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疲労と身体運動 スポーツでの勝利も健康の改善も疲労を乗り越えて得られる
編著:宮下充正
A5判・248頁・図表143点
ISBN:978-4-7644-1187-6
2018年2月10日
「目がしょぼしょぼする」「腕に力が入らなくなった」「からだがだるくなった」など疲れは,いろいろな部分でさまざまに表現されます.では,「疲れ」とは一体何なのでしょうか? 本書では,スポーツや健康に関連する身体運動と疲労の関係について,理論面(身体の諸機能)と実際面(健康やスポーツ競技)からアプローチしています.
理論的背景では,脳・神経・筋・エネルギー供給機構と疲労がどのようにかかわっているのかを,エビデンスをベースとして解説しています.また,効果をもたらす運動強度や過労を引き起こさない適度な運動強度と継続時間についても言及しています.
続く理論と実際では,トレーニング効果をもたらす身体運動にはどの程度の疲労感が適度なのかを持久力・筋力・健康づくりの面から活動基準を示しながら解説しています.また,青少年・中高年・健康寿命といった年齢と疲労の関係についても言及しています.さらに,近年増加している登山についても,安全・快適・健康的な登山をするための指針を示しています.
競技スポーツでは,短時間運動と長時間運動に分け,各競技種目ごと身体運動量と疲労が起こるメカニズムや疲労を残さない休養の仕方などが記述されています.また,睡眠・栄養摂取・筋への刺激(ストレッチングやマッサージ)による疲労からの回復について具体例を交えながら詳述しています.
各項目は見開き4〜8ページで完結するように構成しています.始めから順番に読み進めるも良し,気になる項目を見つけて読んでみるのも良いでしょう.
送料:500円〜
序:疲労と身体運動再考
1章 理論的背景
1章1.脳と疲労
(1)筋力発揮を司令する脳
(2)発揮した筋力を知覚する脳
(3)筋力発揮の限界にかかわる脳
1章2.末梢の神経・筋系機能と疲労
(1)筋力発揮に参画する筋線維タイプ動員の順序
(2)筋,腱,関節からのフィードバック機構
1章3.エネルギー供給機構からみた疲労
(1)運動遂行に必要なエネルギー源と酸素
(2)運動の強度によって変わるエネルギー供給機構
(3)エネルギー源と酸素を補給する循環機能(効率)の低下
(4)ある物質の蓄積や枯渇で疲労が起こるのか
1章4.効果をもたらす運動強度
(1)運動強度の判断基準
(2)過労を引き起こさない適度な運動強度と継続時間
2章 理論と実際
2章1.疲労を感じる程度の身体運動がトレーニング効果をもたらす
(1)全身持久性能力
(2)筋 力
(3)健康づくり
2章2.年齢と疲労
(1)青少年にみられる運動実践がもたらす疲労
(2)中高年の運動不足解消と疲労
(3)身体活動量からみた疲労と健康寿命
2章3.短時間運動が発生させる疲労
(1)個人球技の身体活動量:
(2)集団球技の身体運動量:
(3)格闘技の身体運動量:
2章4.長時間運動の成績と疲労
(1)ペース配分を誤ると成績は落ちる:
(2)ペース配分の獲得
(3)ラストスパートが可能な理由
2章5.登山と疲労
(1)登山と疲労〜2つの視点〜
(2)安全・快適・健康的な登山をするために
2章6.疲労と回復
(1)短時間の休養による回復
(2)睡眠による回復
(3)栄養摂取による回復
(4)筋への刺激による回復
2章7.障害者の運動参加と疲労
(1)障害者の運動参加の可能性
(2)障害別にみた運動参加の実際